練習をしていると、コーチからいろいろなことを言われます。
「もっと周りを見よう」
「切り替えを早くしよう」
「そこに立ったら味方が困るよ」
「次の準備をしよう」
言われたあとに直す。
もちろん、それも成長です。
最初は分からなかったことが、教えてもらうことで分かるようになります。
でも、少しずつ次の段階へ進んでほしいと思います。
それは、
「言われる前に、自分で気づくこと」
です。
たとえば、練習で何度も同じ形からボールを失っている。
コーチから何も言われなければ、そのまま続けるのか。
それとも、
「さっきから同じところで取られているな」
と自分で気づけるのか。
ここには大きな違いがあります。
コーチが何も言わなかったから、間違っていない。
注意されなかったから、できている。
そうとは限りません。
コーチがすべてのプレーを止めて、すべての答えを教えてしまったら、子供は「教えてもらうこと」には慣れても、「自分で見つけること」が苦手になってしまうかもしれません。
だから、あえて言わないこともあります。
失敗していることに自分で気づくのか。
仲間のプレーを見て気づくのか。
同じことを繰り返して「何かがおかしい」と考え始めるのか。
その時間もトレーニングだからです。
これはプレーだけではありません。
練習が始まるのにボールが準備されていない。
片付けをしている仲間がいる。
次のメニューが始まりそうなのに話を聞く準備ができていない。
そんなとき、
「ボールを出して」
「片付けて」
「集合して」
と言われてから動くことはできます。
でも、本当に身につけてほしいのは、その一歩前です。
「次は何が必要だろう」
と自分で考えること。
サッカーやフットサルは、試合中にコーチがすべてを教えてくれるスポーツではありません。
ボールが転がる方向も、
相手の動きも、
味方の位置も、
試合の状況も、
毎回変わります。
その瞬間に自分で見て、自分で考えて、自分で決めなければいけません。
だから普段から「言われてから動く」ことに慣れてしまうと、試合でも答えを待つようになってしまいます。
ここで保護者にも、少し考えてみてほしいことがあります。
忘れ物をしそうだから先に声をかける。
遅れそうだから急がせる。
困りそうだから先に準備しておく。
子供を思えばこその行動だと思います。
でも、大人が先に気づけば気づくほど、子供が気づく機会が減ってしまうこともあります。
忘れて初めて気づくこともある。
困って初めて考えることもある。
失敗して初めて準備の大切さを知ることもある。
すぐに助けないことも、子供の成長を考えれば一つの関わり方なのかもしれません。
「自分で考えなさい」
と言われたから、自分で考えられるようになるわけではありません。
自分で気づかなければならない時間を経験するから、少しずつ考えられるようになっていきます。
教えてもらえることは、とてもありがたいことです。
でも、いつまでも答えが目の前に用意されているわけではありません。
コーチが何も言わなかったときこそ、自分に問いかけてみよう。
「これでいいのかな?」
その小さな疑問を持てるようになることが、自分で成長できる子への第一歩です。