試合が終わると、子どもたちはいろいろな表情を見せます。
負けた日は悔しそうな顔をして、次は勝ちたいと話してくれます。
では、勝った日はどうでしょうか。
笑顔があふれ、達成感に満ちています。
もちろん、それは素晴らしいことです。
努力してつかんだ勝利ですから、思い切り喜んでほしいと思っています。
でも、指導者として私が少し気をつけて見ているのは、実は「勝った日」です。
勝つと、人は安心します。
「今日は良かった。」
「このままで大丈夫。」
そんな気持ちが、少しずつ心の中に生まれます。
すると、無意識のうちに成長するスピードが落ちてしまうことがあります。
反対に、負けた日は課題がはっきり見えます。
「もっと止められるようになりたい。」
「次はシュートを決めたい。」
「もっと走らなきゃ。」
悔しさは、人を大きく成長させてくれます。
だから私は、勝った日こそ子どもたちに問いかけます。
「今日、一番うまくいかなかったことは何だった?」
最初は戸惑う子もいます。
「勝ったから全部良かった。」
そう思っている子も少なくありません。
でも、本当に成長する選手は違います。
勝っても、自分の課題を見つけられる選手です。
「あのパスはもっと早く出せた。」
「守備の立ち位置が少し遅かった。」
「もっと仲間に声をかけられた。」
勝敗ではなく、自分自身と向き合える選手は、少しずつ大きく伸びていきます。
勝つことはゴールではありません。
成長した結果として勝利がついてくる。
私はそう考えています。
だから、勝った日は褒めるだけで終わりません。
「次はもっと良くなるために、何をしよう。」
その一歩を一緒に考える時間を大切にしています。
本当に強い選手は、勝った翌日も昨日と変わらず努力を続けられる選手です。
その積み重ねが、数年後には大きな差になって現れると信じています。