「勝った日」No23

試合が終わると、子どもたちはいろいろな表情を見せます。

負けた日は悔しそうな顔をして、次は勝ちたいと話してくれます。

では、勝った日はどうでしょうか。

笑顔があふれ、達成感に満ちています。

もちろん、それは素晴らしいことです。

努力してつかんだ勝利ですから、思い切り喜んでほしいと思っています。

でも、指導者として私が少し気をつけて見ているのは、実は「勝った日」です。

勝つと、人は安心します。

「今日は良かった。」
「このままで大丈夫。」

そんな気持ちが、少しずつ心の中に生まれます。

すると、無意識のうちに成長するスピードが落ちてしまうことがあります。

反対に、負けた日は課題がはっきり見えます。

「もっと止められるようになりたい。」
「次はシュートを決めたい。」
「もっと走らなきゃ。」

悔しさは、人を大きく成長させてくれます。

だから私は、勝った日こそ子どもたちに問いかけます。

「今日、一番うまくいかなかったことは何だった?」

最初は戸惑う子もいます。

「勝ったから全部良かった。」

そう思っている子も少なくありません。

でも、本当に成長する選手は違います。

勝っても、自分の課題を見つけられる選手です。

「あのパスはもっと早く出せた。」
「守備の立ち位置が少し遅かった。」
「もっと仲間に声をかけられた。」

勝敗ではなく、自分自身と向き合える選手は、少しずつ大きく伸びていきます。

勝つことはゴールではありません。

成長した結果として勝利がついてくる。

私はそう考えています。

だから、勝った日は褒めるだけで終わりません。

「次はもっと良くなるために、何をしよう。」

その一歩を一緒に考える時間を大切にしています。

本当に強い選手は、勝った翌日も昨日と変わらず努力を続けられる選手です。

その積み重ねが、数年後には大きな差になって現れると信じています。

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