練習でドリブルが何度も成功した。
パスもほとんどミスをしなかった。
シュートもたくさん決まった。
そんな日は、
「今日は調子が良かった」
と感じるかもしれません。
もちろん、上手くできることは嬉しいことです。
できなかったことができるようになれば、成長も感じられます。
でも、少し違う見方もできます。
もし、ほとんど失敗しない練習だったとしたら。
その練習は、本当に自分を成長させてくれる難しさだったのでしょうか。
フットサルには相手がいます。
試合になれば、自由にドリブルをさせてくれる相手はいません。
パスを出そうとすれば狙われる。
前を向こうとすれば寄せてくる。
シュートを打とうとすれば体を張って止めにくる。
だから、練習でも相手が本気でプレーしてくれることには大きな意味があります。
たとえば1対1の練習。
守る子が簡単に抜かれてくれれば、攻撃する子は何度も成功できます。
でも、守る子が本気でボールを奪いにいけば、攻撃する子は簡単には抜けません。
何度もボールを取られるかもしれない。
思ったようなプレーができなくなるかもしれない。
では、どちらの方が良い練習なのでしょうか。
面白いのは、
自分を上手くしてくれるのは、いつも「自分が成功したとき」とは限らないということです。
本気で守ってくれる相手がいるから、
もっとボールを細かく触ろうとする。
相手との距離を考える。
スピードを変える。
身体の向きを工夫する。
今まで通用していたものが通用しなくなったときに、初めて新しい工夫が生まれることがあります。
つまり、
「やりにくくしてくれる相手」
が、自分を成長させてくれていることもあります。
これは攻撃だけではありません。
パス練習でも、
守備が本気でコースを消してくれるから、出し方を工夫するようになります。
ゲームでも、
相手が強くプレッシャーをかけてくれるから、今まで以上に準備が必要になります。
良い練習相手とは、何でも上手くやらせてくれる相手ではありません。
簡単にはやらせてくれない相手です。
そして、ここで考えてほしいことがあります。
自分は仲間にとって、そんな練習相手になれているでしょうか。
自分が守備のとき、
「攻撃の練習だから」
と簡単に抜かれていないか。
自分がボールを持っていないとき、
「自分の番じゃないから」
とプレーをやめていないか。
練習は、自分一人だけでつくるものではありません。
一人が本気で守れば、相手の攻撃の練習が良くなる。
一人が本気で攻めれば、相手の守備の練習が良くなる。
お互いが本気でプレーすることで、練習の難しさが上がっていきます。
保護者が練習を見るときも、
「今日はたくさん成功していた」
だけではなく、
「どんな相手の中でプレーしていたのか」
というところまで見てみると、違った成長が見えるかもしれません。
強い相手に何度も止められた。
思うようにプレーできなかった。
そんな日は、子供自身も「今日はダメだった」と感じることがあります。
でも実は、その日の方がたくさんの課題を見つけているかもしれません。
簡単にできる場所にいると、自分の足りないものはなかなか見えてきません。
できなかったからこそ、
「どうしたらできるだろう」
が始まります。
練習で上手くいかなかったとき、落ち込む前に一度考えてみよう。
今日の相手が、自分の何を気づかせてくれたのか。
そして、自分も仲間にとって簡単にはいかない相手になろう。
お互いが本気でぶつかることが、お互いを上手くしていきます。