「できる」と「使える」は、同じではない No53

練習では上手くできる。

でも、試合になるとできない。

フットサルをしていると、そんなことがよくあります。

練習ではきれいにできていたドリブル。

何度も成功していたパス。

上手くできるようになったターン。

ところが試合になると、そのプレーがなかなか出てこない。

「練習ではできるのに、なんで試合ではできないんだろう」

そう感じたことがある子供もいると思います。

でも、これは決して不思議なことではありません。

もしかすると、

「できるようになった」

ところから、もう一つ先の段階があるのかもしれません。

それが、

「使えるようになる」

ということです。

たとえば、新しいターンを練習したとします。

相手がいない状態で何度も練習すれば、少しずつ上手にできるようになります。

これは大切な成長です。

でも、試合では、

いつターンするのか。

なぜターンするのか。

ターンしたあとにどこへ進むのか。

相手との距離はどうなのか。

その瞬間によって状況は変わります。

だから、形だけを覚えても、それだけでは試合で使えるとは限りません。

これは技術だけの話でもありません。

たとえばハサミを使えるようになった子供がいたとします。

ハサミを上手に開いたり閉じたりできる。

まっすぐ紙を切ることもできる。

でも、

「何を作るために、どこを切ればいいのか」

が分からなければ、道具を使いこなしているとは言えません。

フットサルの技術も少し似ています。

ドリブルも、パスも、シュートも、ターンも、

すべて「道具」です。

たくさんの道具を持っていることは素晴らしいことです。

でも、本当に大切なのは、

「今は、どの道具を使えばいいんだろう」

と考えられることです。

だから練習では、技術が成功したかどうかだけではなく、

「何のためにこのプレーを使うんだろう」

というところまで考えてみてほしいと思います。

ドリブルで相手を抜くためなのか。

相手を動かして味方を助けるためなのか。

時間をつくるためなのか。

ゴールへ近づくためなのか。

同じドリブルでも、目的が変われば使い方も変わります。

ここで、少し違う角度から考えてみます。

もしかすると、

「試合で技が出なかった」

ということだけで、悪いプレーだと決めなくてもいいのかもしれません。

練習したフェイントを使える場面がなかった。

相手との距離を見て、あえて使わなかった。

もっと簡単なプレーを選んだ。

それなら、

「練習した技を使わなかった」

こと自体が、その子の成長である可能性もあります。

覚えた技は、必ず使わなければいけないものではありません。

必要なときに使う。

必要がなければ使わない。

そこまでできるようになって、初めて自分の技術になっていくのではないでしょうか。

保護者も、新しい技ができるようになると、試合で見たくなると思います。

「練習していたドリブルを今日は使わなかったな」

と思うこともあるかもしれません。

でも、

「できなかった」のか、

それとも、

「使わなかった」のか。

外から見ただけでは分からないことがあります。

そんなとき、

「なんであの技を使わなかったの?」

ではなく、

「今日はどんなときに使えそうだった?」

と聞いてみる。

その会話から、子供が技術をどこまで理解しているのかが見えてくるかもしれません。

技ができた瞬間が、ゴールではありません。

できるようになって、

試して、

失敗して、

使う場所を知って、

使わない場所も知っていく。

そうやって少しずつ、

「できる技術」が「使える技術」に変わっていきます。

たくさん技を覚えることだけを目標にしなくていい。

今持っている技術を、

「いつ使うのか」

「何のために使うのか」

そこまで考えてみよう。

できることが増えるのも成長。

でも、できることを必要なときに使えるようになることは、もう一つ先の成長です。

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